ELVOという新たなクリエイティブファーム

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2020年3月1日から31日までの1ヶ月間、京都岡崎 蔦屋書店で開催するフェア「NORDIC NEW CLASSICS」。
このフェアでフォーカスを当てるクリエイターの一つでもあるデンマークのクリエイティブファームELVOについてまとめています。

ELVOとの出会い

 

 

2018年の12月にマガジンの取材のため、デンマークのコペンハーゲンに滞在している時に「今コペンハーゲンにいるのか?」と友達のJacob Kampp Berlinerから連絡が入った。
彼は、SOULLANDというアパレルブランドを立ち上げたり、Central Hotel og Cafeという小さなカフェと一組だけ泊まれるホテルを作ったり、コペンハーゲンで一番美味しいと言われるバーガーショップGasoline Grillを作ったりと、ジャンルを問わず多方面で活躍し、コペンハーゲンのカルチャーアイコンとも言える一人だ。

 

 

そして久々に会おうよという話になり、彼からある住所がメッセージで送られてきてその場所に行くと、実はそこは彼の次の投資案件の打ち合わせ先だったのだ。
「面白いものは、常にメジャーよりもマイナーなところから始まるからね。」そういつも軽やかに話すJacobが次にどのような投資をするのかというところを間近で見られることもあり帯同することにした。

久々の再会の挨拶もそこそこ。通された敷地はお世辞にも綺麗な場所と言えないような雑多なモノづくりをしているワークショップ群が連なる建物。Jacobが手掛けるビジネスはラフなところはあるけれど、いつも洗練された世界観を持っている印象だっただけに少し肩透かしを食らった気がした。さらに建物の奥へと進み、人が屈んで入れるかどうかというエレベーター(おそらく業務用の何かを昇降させるエレベーター)に乗り込み、ドアが開くと、なんととても洗練されたレストランが目の前に広がったのだった。

 

 

話を聞くとそこは星付きのシェフの料理を食べられるレストランで、店内の内装は、コペンハーゲンの食事情を追っている人なら一度や二度は聞いたことがある「Restaurant Relæ」の内装や家具デザインなども手掛けたKøbenhavns Møbelsnedkeriが手掛けたそうだ。しかも先ほど通ってきた雑多なワークショップ群全体がKøbenhavns Møbelsnedkeriのデザインした家具などを作っている現場で、このレストランは彼らが作った作品や世界観を表現するための「場」としているのだとその場所に一緒にいたファウンダーのKim Dolvaが教えてくれた。

 

 

説明がひと段落しオフィスの棟に移動をするとそこはインテリアだけのシックな空間が広がり、棚にはELVOBOXが陳列されていた。

 

ELVOとは?

 

ELVOは1923年にValdemar Martin Ørstrupによってデンマークで設立され、ブランド名のELVOは彼の4人の子供の名前の頭文字(EllenLeoVillyOrla)を付けているそう。ELVOが作る再生紙と木材の繊維をベースに作られたファイバーボードは耐久性が高いので、アートワークやジュエリー、靴や写真に契約書、学生の帽子など、人々が愛する全てのモノを収納するのに優れている。

 

(出所:https://elvo.com/pages/about)

 

バレーダンサーのシューズケースなどの製作を軸に事業を展開していたELVOだが、戦後の大量生産、大量消費の時代の流れやプラスチックなどの新しい素材の台頭により、一部の愛好家たちや一部の用途だけのモノになってしまっていた。
しかし、近年の脱プラスチックやサスティナブルを重要視する時代の流れから、再びELVOの素材に注目されることになった。そこでKøbenhavns MøbelsnedkeriKimが全面的にクリエイティブマネジメントをすることとなり、今までのBOX事業から素材とデザイン性にフォーカスを当てることで復活を遂げてきていて、KimからJacobに投資案件として話が入ったとのことだった。

これは古いモノの価値をアップデートした事例の一つのように感じられるかもしれないが、彼らの面白いポイントは、そのアップデートへのアプローチの仕方だろう。

コンセプトでは、まずこんなことを謳っている。

私たちは世界をモノで埋め尽くすような仕事をしていません。
私たちは、世界をより持続可能な世界に変え、仲間を誘い、敬意を払い、同じ考えを持つ仲間を促進することで、循環型思考の基準を高めることを信じています。

 自ら大量生産・消費のゲームに乗ろうとせずに、様々なジャンルのクリエイターたちとのコラボレーションにより、クリエイティブの循環をELVOの持つ価値で作ろうということだ。

そこでまず価値としてチカラを入れたのはデザイン面。



代表的なラインナップのBOX類のデザインを旧来のものから一心するために紙のデザイン・アートワークが得意で2019年にデンマークのデザインアワードにも輝いたAmanda BetzとのコラボレーションによりBOXやファイルのラインナップのデザイン性をアップデートした。

次にチカラを入れたのはキュレーション面だ。

誰でも彼らとコラボレーションのタッグが組めるのかというと、そういうことではなく、彼らの言葉を借りれば「自分たちのプロダクトでビジネスをしたり、コラボレーションを提供するのは、より大きなものへの旅に参加できると考えられるブランドだけ」こういうモノづくりへの互いの敬意を基準として持ちコラボレーション先をキュレーションすることで独自の世界観を担保しつつ、影響力を高めていけるという。

表面的なデザイン性の美しさはもちろんのこと、精神的にも一貫性のある美しさのある姿勢は彼らのBOXからも感じ取っていただけることだろう。

 

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今回3月1日から1ヶ月間、京都岡崎 蔦屋書店でインディペンデントマガジン「a quiet day」創刊5周年を記念してELVOとコラボレーションノートとELVOのBOXを限定販売する。

 

 

持続性のあるクリエイティブコラボレーションを得意とするELVOとa quiet dayは今回のコラボレーションノートをきっかけに、日本の「製紙技術」とデンマークの「デザイン性」を掛け合わせたコラボレーションプロダクトを2020年秋にローンチする予定。


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