Mentality of Bornholm - Episode 2 - ボーンホルムと、色とカタチ

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ボーンホルムという島の場所を知ったのは、北欧の旅を始めてから4年ぐらいたった頃。当時は、ただ場所を巡る旅に飽き始め、モノづくりやそれを作る人たちの思想や考え方に興味が芽生え、北欧ヴィンテージの買い付けを始めた頃と同時期だったように思う。

それはひょんな出会いで、デンマークの首都コペンハーゲンのインテリアショップFinderiで美しい青の釉薬に木々などの自然をあしらった陶器の花瓶を手にとった瞬間から全てが始まった。自然をあしらうといっても、ある種のオマージュがかったものではなく、本来の自然をそのまま陶器に写生したような表情や色、質感を持っていたことも惹かれた理由の一つだった。

花瓶の裏に書かれたSøholm / Bornholmというキーワードを頼りにSøholmという陶器の窯元や島のことを調べ始めると、この窯元は1835年から1996年に存在した窯元で、Bornholmという島では、Søholmの他にもMichael Andersen、Hjorthといったデンマークを代表する陶器の窯元が多く点在していた。

この美しいカタチや色合い、そして質感がどこから来るのかを確かめるべく、デンマークとスウェーデンの間に位置する小さな島、Bornholm島に足を運び、実際に現地のクラフトマンやコレクターたち、そして現地のクラフトマンたちを束ねるArts &Crafts Borholm AssociationのチェアウーマンTimmi B. Kromann氏に話を聞いてみた。

すると、みな口を揃えて「クラフトは自然からの賜物だ。」ということを教えてくれた。 それは、表現としてのインスピレーションの源という意味だけでなく、陶器を作るために必要な土のバリエーションが豊富なことや島の南北で異なる自然の表情全てにおいてということだった。

実際に自分がその視点で自然の中を歩いてみると、針葉樹と広葉樹が共存する森の中で、陶器と同じようなテクスチャーの松ぼっくりや木の幹、そして海沿いを眺めれば、陶器の釉薬と同じ色合いを容易に見つけることができた。

いいモノが多く残る1950年代から60年代のヴィンテージのクラフトマンたちに、そのクラフトのカタチや色合いに込めた想いを語ってもらうことは難しい。けれど、Bornholmから生まれたモノたちからは、それらを不思議と感じ取ることができる。これからもそれらを眺めながら、そのカタチに惹かれ、考え続けるのだろう。

 

1950年代から60年代のミッドセンチュリー期は、素材や質感にこだわりを持ったハンドクラフトのモノづくりが盛んだった。ボーンホルム島の豊かな自然にインスパイアーされたヴィンテージの陶器たち。ボーンホルム島を代表する窯元SøholmとMichael Andersenのヴィンテージ品は本国デンマークだけでなく、世界的なクラフトブームも相まって人気となっている。SøholmのSvend Aage JensenやMichael AndersenのMarianne Starckなどのデザイナーの作品は、コレクターからも再注目され、今もなお、愛され続けている。 

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2020年1月から3月の企画として「Mentality of Bornholm」を連載していきます。
毎週月曜日18時にデンマークのボーンホルム島のメンタリティやモノづくり、食をテーマにコラムやインタビューを更新していきます。

2017年から足繁く通うこのボーンホルム島には、来るべき社会の予感や考え方に溢れています。

過去を振り返り、今を見つめ、未来に思いを馳せながらお楽しみいただければと思います。

<連載記事一覧>

Episode 1:モノから広がった世界(2020年1月6日配信)
Episode 2:ボーンホルムと、色と形(2020年1月13日配信)
Episode 3:Way of return to the nature(2020年1月20日配信)
Episode 4 : 地産地消の循環経済(2020年1月27日配信)
Episode 5 : WORK TOGETHERの精神(2020年2月3日配信)
Episode 6 : WORK TOGETHER(2020年2月10日配信)


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