Mentality of Bornholm - Episode 6 - Work together

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今年もボーンホルム島に来ることが出来た。宿はいつもの通りセラミックアーティストOh OakのSarahのアトリエ。釉薬をつける前の陶器に囲まれ寝食を共にする。
「土曜日の朝、晴れたら島をドライブしよう!」そうSarahと彼女の夫であり寄宿学校の教頭のRasmusの家族と約束した。
翌朝は見事に快晴。3時間ほどで一周出来てしまう島をドライブしながら、ボーンホルム島に脈々と受け継がれるフィロソフィー「WORK TOGETHER」について尋ねてみた。

 

- どうして首都のコペンハーゲンからボーンホルム島に引っ越したの?
 僕たちはコペンハーゲンという都市から離れるために引っ越したんだ。子供たちと自然の環境のそばで過ごすことを望んでいてね。それは最初の子供のアルバートが生まれる1年前くらいだったかな。僕にとって、人生の中に自然が存在し続けていたんだ。Sarahと僕はどちらも、引っ越す前はストレスを感じていてね。その時に自然、特にスウェーデンにある森林のキャビンが僕らにとっての特別な場所だったんだ。自分をコントロールして取り戻すことが出来るようになったからね。

 僕はサーファー、マウンテンバイカー、ハンターなんだよ。これらのすべてのアクティビティは、無条件に自然の寛大さを頼ることになるよね。だから心と身体のコントロールとともに、周囲の環境への理解を求めるんだ。都市は僕にとって自然ではない住まいになってしまったんだよ。僕はそのことを認識していなかったんだけど、Sarahがボーンホルム島を提案した時に良い選択だと感じたんだ。Sarahの陶芸のための材料や彼女自身のクリエイティビティ、クラフト、そしてデザインの才能を探求するために、デンマーク王立美術院ボーンホルム校での教育が必要でボーンホルム島に移住したね。それが僕たちを都市から島への移住を推し進めることになったんだ。海、岩、ビーチ、森のためにもね。それと住宅価格もそのきっかけの一つになったよ。コペンハーゲンでは達成するチャンスがほぼないような経済的なフレキシビリティや自由さも得られたしね。

- Rasmusはコペンハーゲンとボーンホルム島の暮らしかたの違いってどう感じている?
 それはとても大きいものだよね。ここでの暮らしはとてもゆっくりしているよな。もっとリラックスしていてね。でもそれは季節によるかな。ボーンホルム島の人口は6月から9月にかけて3倍くらい増加するんだよ。だから、島の多くのビジネスが繁忙期になるんだ。でもそれから9月の秋の季節になると、全てが減速して、そこから創造的で熟考するような仕事が再び始まるんだよ。

 

 

- もしSarahが陶器を作っていなくても、ボーンホルム島に住んでいたかな?
 恐らくそうじゃないだろうね。当時、僕たちはドイツのベルリンやアイスランドのレイキャビクへの移住についても話をしていたんだ。どちらかというと、それは最後だったと思うな。でも、自然は不可欠な要素だったんだよ。実際、それらの場所は、まだ完全に移住の可能性のテーブルからは外れていないんだ。

- ボーンホルム島のコミュニティについて教えて。
 ボーンホルム島のコミュニティは本当に強いよ。コペンハーゲンと比較してみると、コミュニティについて、もう一つの認識があると思うんだ。ここでは、リソースと機会としてのコミュニティという見方が出来るね。多くのユニットからなるコミュニティを見ると、単一のユニットが強くなればなるほど、コミュニティとしても強くなるんだよ。それは明らかかもしれないけれど、何かを与えられないということは、お互いを助け合いそれを強くしていくための意志になるんだ。コミュニティの認識によっては、たとえビジネスで直接競争する相手であってもね。そして、この認識は孤立していることと、それに伴う遠隔性からきていると思うんだ。あなたが海の真ん中にある小島に住んでいると、コミュニティと協力的な意志に依存するだろうね。そこで生き残っていく最善の方法は、協力して働き、お互いを助け合い、競争や領域を主張するのではなく、「分かち合うこと」という相互理解が生まれるんだよ。これは実際に生存するということにも繋がるな。ボーンホルム島は、90年代初めに漁業、船業、港湾業、などの全ての産業がクローズしたことで資金難になって、大きな不況を抱えていたんだ。それ以来、島は観光、ガストロノミー、食料品の生産、そしてアートやクラフトなどの継承されたスキルなどを通して、改革に邁進しているんだ。

 

 

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- Why did you move from Copenhagen to Bornholm?
We moved from Copenhagen to get out of the city. We had our first child, Albert, a year before and wished to raise our children closer to nature. To me, nature was having a growing presence in my life. Both Sarah and I had some stressful years before moving, and in that period nature, and especially our forest cabin in Sweden, became a sanctuary were it was possible to regain control.

I am a surfer, a mountain biker and a hunter. All activities that unconditionally rely on natures generosity and demand an understanding of the surrounding  environment, together with control of mind and body. The city was becoming an unnatural habitat to me. I was not aware of this then, but felt it was an easy choice when Sarah proposed Bornholm. We moved because of Sarah's call to the ceramic material and to explore the talents of her creativity and designing and crafting skills. That was what pushed us. And we moved to Bornholm because of the education at the Royal Danish Academy. But also because of the sea, the rocks, the beaches and the forests. And because of the house prices too, which gave us an economically flexibility and freedom we had no chance of achieving in Copenhagen.

- What do you feel about difference of lifestyle (way of life) between at Copenhagen and Bornholm?
Sometimes it’s huge. Life is slower here. More relaxed. But seasonal. The population of Bornholm increases three times from June to September, so this is the culmination of many businesses in the Island. But then, when autumn comes in September, everything throttles down and from there all the creative and recreative work starts again.

- Even if Sarah didn't start to create ceramics, did you move to Bornholm?
Probably not. Back then we talked about moving to Berlin or Reykjavik. If anything, I think it would have been the last. And again nature would have been an essential factor. Actually, it’s still not completely off the table.

- Please let me know about community at Bornholm.
The community in Bornholm is really strong. Compared to Copenhagen there is another perception of communities I think. Here you see the community as a resource and an opportunity. If you look at a community, consisting of many units, the stronger the single units are, the stronger the community is. That may seem obvious, but what isn’t given is the will to help and strengthen each other, even businesses in direct competition to yourself, because of the perception of community. And I think it comes from the remoteness and the isolation. When you live on a small island in the middle of the sea, you are dependent on the community and on collaborative will. There is a mutual understanding that the best way to survive, is to work together, to help each other and to share instead of competing and claiming territory. And it actually is about surviving. Bornholm was having a huge depression in the early nineties, when the money disappeared with the fishing boats and the harbours and the a whole industry closed down. Since then, the island has struggled to reinvent itself, mainly through tourism, gastronomy and commodity producers and inherited skills in arts and crafts.

 

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- ボーンホルム島では、「Work Together」というマインドがあるよね。それはどこから育まれた考え方なの?
 さっき言ったみたいに、「Work Together」の考え方は「孤立」からきていると信じているんだ。シェアや協力的な経済は物理的に孤立した社会で繁栄してきていると思うし。魅力的に生き生きと働けて、強い競争力のある社会になるために、協力が必要不可欠だよ。それが、大都市における中央のクリエイティビティやパワーに対抗する役割を果たすんだ。

 ボーンホルム島は、歴史の中で、再三「孤立」に陥ったんだ。1945年、デンマークの半分がドイツの占領から解放された時、ボーンホルム島は、地理的にとても重要な戦略上の拠点となっていてね。ロシア人が島を占領して1年ほど解放されなかったんだよ。そして1946年の爆撃の後、ついにボーンホルム島の人々の手に戻ったんだ。たぶん、放置されているという気持ちが、自分自身の力でなんとかする力強さを表面化させ、一緒に働き、強いコミュニティを創り上げるように影響を与えたのかもしれないな。だから、今日のボーンホルム島のコミュニティについて僕が感じることは、それが人々を結びつけるに至った過酷な時代の遺産だ、ということなんだ。

 もう一つは、起業家精神の強いコミュニティが存在していることかな。ここに住んでいる人たち、または移り住んだ人たちは、自分自身の仕事を創る必要があるんだよ。それは、革新的な考え方と可能性を探し求め、協調的なマインドに貢献することを求めていると僕は思うんだ。

 寄宿学校の教頭として、可能な限りローカルの企業と多くの関係のあるコラボレーションを通して、学生と一緒に「Work Together」の考え方を伝えようとしているんだ。異なるローカルパートナーと協力することで、お互いのベネフィットを感覚的に経験することは、とても大切。そしてね、有意義で互恵を感じられる本当のコラボレーションをすると、働く気持ちが湧き上がってくるんだよ。マーケティングの課題がそれになるだろうと思うんだ。だから生徒たちにローカルというマインドだけでなく、島の特別な考え方を伝えていくことも大切だよ。このマインドは広くいきわたっている考え方なんだ。だから協力的なパートナーを見つけることは決して難しいことではないんだ。

 

 

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- They are having mind of “Work Together” at Bornholm, I think. So where do they get idea of “Work Together” and grow up that mind?

As I mentioned, I believe the work-together-mindset comes from the isolation. I'd like to think that shared or collaborative economy thrives in a society, that is physically isolated. There is a perception of collaboration to be vital in order to get a strong and competitive society, that is attractive to live and work in. And to visit. And that functions as a counterpoint to the centres of creativity and power that lies in the big cities.

The isolation has been very visible more than once in the history of Bornholm. When the rest of Denmark was liberated from the German occupation in 45, Bornholm was not freed before a year later, due to the Russians taking over the island because of its geographically strategic importance. It was only after a devastating bombing in 1946 it was finally back on the hands of the Bornholm people. Maybe the feeling of being left alone have had an influence on people to show that they were strong and able to fend for themselves, thus inspired people to stand and work together and building a strong community. Maybe the way I feel about community on Bornholm today, is a heritage of these harsh times that tied people together.

Another thing is the strong community of entrepreneurship that exists here. People living or moving here, often need to create their own jobs. That demands for an innovative way of thinking and looking for possibilities and contributes to the collaborative mindset, I guess.

As headmaster of a boarding school, I try to pass on the work-together-mindset to my students, through as many relevant collaborations with local companies as possible. It is important to me, that they experience and take in the feeling of mutual benefits from corporations with different local partners. And that they get the feeling of working in a real collaborations, where the work they do has a meaningful and useful reciprocity. This could be marketing assignments for example. My students are not local, but also it is of importance to pass on the special mindset of the island too. Once again the mindset is omnipresent; It is never difficult to find collaborative partners.

 

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- すると、ボーンホルム島では「競争」という認識ってあるのかな?
 もちろん、ボーンホルムには「競争」はあるよ。多かれ少なかれ、僕はそう思うな。自分自身のベストを尽くすことが求められているようで、それは健全なことだよ。でも「競争」の考え方は、多分ほとんどの場所と異なるんじゃないかな。競争する相手である同僚や刺激をもらえるパートナーとして考えているからね。

- Rasmusが考える人生や日々の生活でとても大切なことって何かな?
 ボーンホルム島で自分たちの家族が人生を楽しんでいることを思うことかな。自分たちが幸せになることをして、そして意味のあることをしてね。より大きな絵を描くみたいな感覚だな。自分自身よりも大きいものを作るか、もしくはそれを行なうことが大切だと思うんだ。僕は寄宿学校の教頭として、常に教育についての考え方や思考方法を開発することで、今、そして将来、自分たちの生徒全員に変化をもたらそうとしているんだ。僕の学校では、学ぶ経験を増やすために教育を再考して更新しているよ。さらに関係性にも重点を置いているんだ。教育は生産的な関係性、教師から学生へ、または学生同士で可能だからね。やっぱりコミュニティは、どこにでも起こりうるものなんだよな。

 

 

- 一般的に未来の家族がどんな感じになっていくと思う?
 僕にとっては、自分の家族は僕を牽引するものなのかな。仕事の中では、小さなグループの人々にとって意味のあることをしようとするのだけれど、大きなグループの人々をうまい具合に動かすこと、そして触発することの出来る教育学的理解を育もうとしているんだ。同じように、僕は民主的な理解があるものの、デンマークや他の多くの西側諸国の政治情勢を再考することを考えているんだよ。僕はね、家族や子供たちがより良く、そしてより持続可能で平等な未来のためには変化が必要で、特に資源の生産と使用、そして所有と共有の理解を深める必要があると思うんだ。

- Rasmusにとって愛ってなんだと思う?
 ビッグクエスチョンだな。僕にとって、愛とは僕たちを動かすもので、僕たちに意味を与えてくれるものだと思うな。さっき言ったように、それはあなたの家族、あなたの子供たちへの愛そのものなんだ。もしくは、アイデアやコンセプトを愛すること。信念。そして宗教。人々に対する愛。または、自分自身への愛かもしれない。そして残念ながら、お金への愛や物事への愛もあるはずなんだ。

 

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- Do you have the idea of “competition” at Bornholm?
Of course competition exists on Bornholm. Even a strong one in many branches, I think. It’s healthy in the way it demands you to do your best, but maybe the idea of competition differs from most places, because you see your competitors just as much as colleagues and sparring partners.

- What's the most important thing for your daily life and “Life”?
I guess it is to see my family enjoying life on Bornholm. That we do something that we’re happy about and makes sense to us. And sense in a bigger picture. I guess to make or do something that is larger than myself is important. As a headmaster on a boarding school, I try to make a difference in all of my students life, now and in the future, by constantly developing the way of thinking education. In my school we rethink and renew teaching to increase learning, and we have an extraordinary focus on relations, since our believe is that teaching is only possible in productive relationships, teacher to student or pier to pier. Again community is a recurrent and omnipresent factor.

- Please let me know your opinion, what do you think about family in generally for the future.
To me, my family is what drives me. In my work I try to do something meaningful to a small group of people, but try to develop a pedagogical understanding that can inspire and hopefully move a large group of people. In the same way, I have a democratic understanding and believe in rethinking the political scene in Denmark and many other western countries. I think we need to develop our understanding of production and use of resources, and our understanding of possession and sharing etc. All because my family/children will need a change for a better, more sustainable and equal future.

- What does “Love” mean for you?
Big question. I guess love is what drives us and gives us meaning. As I mentioned before it is love to your family, your children. Or love to an idea or concept. A belief. A religion. Love to people. Or maybe love to yourself. And unfortunately love to money and love to things.

 

 

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<連載記事一覧>

Episode 1:モノから広がった世界(2020年1月6日配信)
Episode 2:ボーンホルムと、色と形(2020年1月13日配信)
Episode 3:Way of return to the nature(2020年1月20日配信)
Episode 4 : 地産地消の循環経済(2020年1月27日配信)
Episode 5 : WORK TOGETHERの精神(2020年2月3日配信)
Episode 6 : WORK TOGETHER(2020年2月10日配信)

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