考え方のベクトル

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101日から1115日まで福岡の六本松 蔦屋書店さんで「NORDIC WORDS & CRAFTS」という北欧のグラフィックデザインにフォーカスしたフェアを開催していました。それに合わせて今月はじめにマガジン a quiet dayのプロモーションも兼ねて、一夜限りのトークイベントを開催しました。

その時にメインで話したこととしては、様々なトピックに対して日本と北欧の考え方の違いやアプローチの仕方について話をしてきました。当日は世界一周を3度もされている森さんのファシリテーションによる掛け合いのトークイベントでしたので、改めてどんなことを伝えたかったかをまとめると「考え方のベクトル」についてに尽きるように思います

 

イベントの中の話の中で、比較論的に日本と北欧の考え方の違いということも話しましたが、もちろんそれぞれの国の中には、様々な方がいるので一概にこうだ、決めつけるのはいかがなものかと思いますので、自分が11号分のマガジンで取材した延べ人数200人ほどの北欧のクリエイターの考え方をまとめていく中で感じたことが大前提になってきます。

 


その中で特筆して考えてみたい北欧の方たちが持っている共通点の一つとして「自分がスタート地点に必ずいる」という部分です。もう少し詳しくいうと、自分が何かをするにも自分にとってベストな状態を常に考えている人が多いなという印象を取材する中でいつも感じています。物事の考え方のベクトルとして「個」が先にあり、それを「共」や「公」に広げているケースが多いのです。

例えば何か複数人のクリエイターでプロジェクトを行なうということがあったとします。その際に、形式的な書類などのやりとりやあらかじめ定められたプロジェクトのゴールありきでスタートするのではなく、まず一個人としてこのプロジェクトに対して何ができるのかということについてお互い同士が語り合います。もちろんその反対で出来ないことなどもしっかりと話します。これが所謂、オープンマインドということなのでしょう。

そして互いの持ちうるモノやコトを出し切った状態で自分たちが向かうべきゴールを設定していき進めていきます。もちろん悪い部分としては、何かやる時に短期的にスケールさせるということが苦手な人が多い印象です。

 

トークイベントの際にも、話したエピソードがあります。

あるインテリアショップを営んでいた友人がいたのですが、ある日、突然ショップをクローズすることになりました。経営上のやりくりが難しくなってしまった側面があるにせよ、まるで天職かのようにショップ経営やインテリアのセレクトを楽しんでいた姿が印象的だったのにも関わらず、辞めてしまい、日本という遠くの側から見ていた自分ですら少し悲しく寂しい気持ちになったことを覚えています。その時にコペンハーゲンのあるバーガーショップで一緒に夕ご飯を食べることになり、「あなたの人生のゴールってどんなイメージなの?」という質問を投げかけました。

自分としては、ショップを閉じ、インテリアデザイナーとして新たなビジネスを起こす友人は、きっと何か成功を手にしたいのかなと推測していたのですが、

「誰かの役に立ちたい。自分がやりたいことで、誰かを喜ばせたいってことがゴールかな。」

と答えが返ってきた時には、自分の浅はかさや近視眼的な考え方を恥じました。。

ここでもポイントなのは、「誰かが喜んでくれることを、自分がやる」ということではないところ。出発点はいつも自分にあるということをこのエピソードだけでなく、他のクリエイターたちの考え方の端々でその要素を感じ、考え方のベクトルをリセットされた形で日本に戻ることが出来ています。

 

トークイベントの中でも触れたマガジン a quiet dayをどのように作っているのか、という部分にもこの考え方のベクトルは共通しています。以前のこちらの記事(「a quiet day エピソード0(どうしてマガジンを作り始めたのか?)」)にもまとめたように、最初は自分の読みたい本が見当たらず、じゃあ、ないなら作るかということでスタートした経緯があります。

取材先のアポイントメントなども正式に行なうということよりも、以前に取材させてもらったクリエイターの方々からの紹介がほとんどなのです。そんな魔法のようなことが起こるのかと11号を作り上げた今でも自分ですら不思議なのですが、これが読者にウケそうだから、このカテゴリーの層にはこんなトピックがヒットするのではないか、といったような外の要因からマガジンを作るのではなく、自分たちが北欧の人たちと一緒に考えていきたいテーマからマガジンの作りをスタートしているところが、オープンマインドで物事を進めていく北欧のクリエイターたちと不思議なバイブスが生まれ、ご縁も一緒に繋いでもらえているのだろうと考えています。


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